痛みというのは、身体から「助けて!」というサインです。
そのサインを気づかずに身体を酷使していくと、
その痛みがで出ている状態を脳が記憶し、身体に定着させようとします。
痛みのある状態を「自身の水準」だと間違った認識をしてしまうのです。
その「間違った水準」の期間が長ければ長いほど、より深く身体に定着します。
私たちには『ホメオスタシス(恒常性)』という身体の状態を一定に保とうという調節機能があります。
これは健康でいるために体温や血糖、血圧、免疫などを外部の環境に関わらず一定を維持するために必要な調節機能です。
その「一定の水準」からずれたりすると、
元に戻るように調節するように指示を出すのが脳です。
例えば体温は36度前後の水準を保つようになっていて、暑くなれば汗をかいて体温を下げるように指示を出し、寒くなれば身体を震わせて体温を上げようと指示を出します。
しかし、風邪をひいたりすると誤作動が起きてしまいます。
寒くないのに悪寒がして震えるということがありますよね?
これは体温の水準がウイルスなどにより高い温度に設定されてしまい、寒くないのに体温をいつもより上げようとして身体を震わせるから起こる現象です。
その結果、発熱ということなります。
薬などで設定の水準が戻ると体温を下げるためにたくさん汗をかくように指示が出ます。
このように脳は水準がずれてしまっても、その水準に合わせるように指示を出します。
身体の骨格や筋肉のバランスも同じです。
痛みのある状態が水準に置き換わってしまうと、その水準に合わせるように脳が指示を出します。
病気はみなさん早めに病院に行かれるので、薬などで調整し正常な水準に早い段階で戻りやすいです。
原因がはっきりしている怪我の場合は、もちろんすぐ病院など行かれて治療されると思います。
ですが、原因がわからない肩や腰が痛いなどの症状の時はいかがでしょう?
放置しがちではありませんか?
そして、放置している間に痛みは感じなくなり治ったと思う方が多いと思います。
それが身体の骨格や筋肉のバランスの水準がずれてしまう大きな原因です。
痛みを感じなくなるのは、脳が水準を「痛みの出る状態」に変えているからです。治ったわけではないのです。
そして間違った水準の期間が長ければ長いほど、正しいはずの水準には戻りにくくなってしまうのです。
それがよく言われる施術を受けても痛みが出る状態になる、「もどり」と言われるものです。
なので、通院の考え方として痛みが取れるまで集中的に施術が必要なのは、身体のバランスの水準を「痛みの出ない状態」に変えるためです。
「痛みの出ない状態」の頻度を増やさないと、脳に正しい水準だと認識させることができないのです。
そのために必要な期間がSTEP1です。
STEP1がしっかり達成できて、ようやくSTEP2のどうして痛みが出たのかという原因にアプローチができ、STEP3の「痛みの出ない状態」の定着までいけるのです。
通院の考え方として、最重要なのがSTEP1の『痛みの出ない状態に水準を変える』なのです。